
きっかけ:手話との出会い
私にとって手話は特別なものではありません。家族とのコミュニケーション手段方法として自然に身につけ、今も第2言語として使い続けています。
その中でも、手話通訳士という職業を意識するようになったのは、ある出来事がきっかけです。

「えっ、そんなに大変なの?」
大学の講義中、ふと前を見ると、一人の学生がPC画面を食い入るように見つめていました。
その学生は聞こえない生徒で、リアルタイムで講義の内容の文字通訳を利用していたんです。
けれど、その目は忙しなく動き、ホワイトボードを見ては板書を写し、PCへ視線を移す——その繰り返し。
私は思いました、「これだと、授業に集中するのも大変じゃん!」
それをきっかけに、「手話ができることで役に立てるかも!」と思い、私は大学のサポート団体に参加。そして、PC文字通訳の活動に携わることに。
しかし、話し手のスピードについていけず、要点を省略せざるを得ない場面も多く、「これでは伝えたいことが正確に伝わらないかもしれない」と悔しい思いをしました。
そんな中、私が手話ができることを知った人から、聴覚障がいの学生の面接練習を頼まれる機会がありました。ところが、実際の場面を想定した手話通訳をすると、自分の表現がぎこちなく、十分に伝わらない。
「手話ができるはずなのに、役に立てない……。」
そのとき、「もっと本格的に学び、手話を必要とする人の力になりたい!」と強く思いました。
学びのスタート:手話通訳講座へ
その思いを実現するため、私は現在も手話通訳講座を受講しています。
手話の基本だけでなく、通訳技術やろう文化についての理解を深めるカリキュラムが組まれており、毎回新しい発見があります。
しかし、学び始めてすぐに
「ただ手話ができるだけでは通訳士にはなれない」
という現実に直面しました。
手話は日本語とは異なる文法を持つため、単に言葉を置き換えるだけでは伝わらないことが
かなり多く、通訳には高度な技術が求められます。
また、手話にも方言があり、地域によって表現が違うこともあるため、それぞれのニュアンスや特徴を理解するなどの対応力も必要です。
講座では、手話表現の正確さはもちろんのこと、
「どのように情報を伝えれば、ろう者が分かりやすいのか」
という視点を常に求められます。
これは、単なる翻訳ではなく、
「コミュニケーションをつなぐ架け橋」
としての役割を担うことを意味していると思います。

挑戦と葛藤:手話通訳士への道
手話通訳士を目指す中で、何度も壁にぶつかりました。
特に、ろう者の方との会話では、慣れているはずなのに、
自分の手話が十分に伝わらないこともあり、悔しい思いをしたことが何度もあります。
「もっと表現力を磨かなければ」
「ろう者への理解が足りない」
と感じ、落ち込むこともあります。
また、手話通訳士には迅速な判断力が求められます。
話し手の意図を正しく汲み取り、それを適切な手話表現に変換するには、瞬時の決断が必要です。
そのため、講座では実践的なトレーニングが多く、常に頭をフル回転させなければなりません。
しかし、この挑戦こそが、手話通訳士という仕事の魅力でもあると感じています。
単なる言語の橋渡しではなく、
「人と人をつなぐ」
という役割を果たすことで、誰かの力になれる。
それが、私がこの道を進もうと決意した理由です。
また、手話通訳講座では、「ろう先生」と「聴者の先生」から学ぶ機会があります。
それぞれの先生によって、表現方法や教え方に違いがあり、とても興味深いです。

未来への展望:手話通訳士として目指すもの
手話通訳士の資格取得はゴールではなく、スタートラインにすぎません。
実際の現場では、医療、教育、ビジネスなど、さまざまな場面で通訳が求められます。
それぞれの状況に応じた手話表現を使い分けることが必要であり、学び続ける姿勢が欠かせません。
また、より専門的な場面になると専門用語に習得を必要になってきます。
私が目指すのは、単なる「通訳者」ではなく、
「ろう者と聴者の架け橋」
となれる存在です。
そのためには、手話のスキルだけでなく、ろう文化への深い理解と、コミュニケーションを大切にする心が必要だと感じています。
まだまだ学ぶことは多いですが、一歩ずつ前進し、
いつか手話通訳士として、誰かの役に立てる日を目指して努力を続けたいと思います。
まとめ
手話通訳士を目指すことは、
単に「手話を覚える」ことではなく、
「文化を知り、人をつなぐこと」
だと実感しています。
学びの中で多くの困難に直面しながらも、ろう者の方々との出会いや経験を通じて、
より深い理解を得ることができました。
手話通訳士を目指す旅はまだまだですが、これからも挑戦を続け、誰かの人生に寄り添う通訳士になりたいと思います。
あなたの声を、もっと多くの人に届けるために、一緒に手話の世界を広げていきませんか?
こだむ。への問い合わせや気になることがあれば、いつでもお気軽にご連絡ください⚘ ⸝⋆