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こんにちは、こだむ。です⚘ ⸝⋆

「ねね!」

と声をかけたのに、相手に声が届かなかった経験したことありませんか?

私の家庭では、基本的に人を呼ぶときに声を使うことはありません。

代わりに、肩を軽くトントンと叩いたり、振動を使って気づいてもらったりします。

これは、ろう文化の中ではごく自然なことです。

そんな私の家庭では、ろう文化ならではの“面白い当たり前”がいくつもありますが、それはまた別の機会にお話しするとして……

今回は、私自身が経験した「聞こえないことで生まれる誤解」についてお話ししたいと思います。

ある旅行先での出来事

家族旅行で、とある観光地へ行ったときのこと。

最近の観光地はどこも人が多く、特に食べ歩きができる通りはすれ違うのも大変です。
その日も、父・母・私の3人で屋台を見ながら「何を食べようかな〜」と進んでいました。

私と父は食べることが大好きなので、気になるお店があるたびに立ち止まって覗いていました。

そして、そんな狭い通りでの出来事。

父が歩いている際に、うっかり男性の肩にぶつかってしまいました。

狭い場所なので仕方がないことではあるのですが……

その男性はすぐに

「いった!最悪なんだけど!おい」

と口にしました。

しかし、その言葉は私にしか聞こえません。

父はぶつかってしまったことに気づき、会釈をして謝ったのですが、

その瞬間を相手の男性は見逃してしまったようで、怒ってしまったのです。

幸いにも、私の父は大柄で少し見た目が怖いため、トラブルにはならずに済みました。

でも、このような場面は他にもありました。

私はその場で「今、こう言われてたよ」「怒ってたよ」と父に伝えるべきなのか、いつも悩みます。

自分だけがマイナスな言葉を聞いてしまう場面が、何度もあります。

「無視」じゃない、ただ聞こえていないだけ

他にも、父や母が道を歩いているとき、後ろから

「すみません!ここにはどうやって行けばいいですか?」

と声をかけられているのを見たこともあります。

その場に私がいれば対応できますが、買い物していたり、席を離れていたりすることもあります。

すると、声をかけた人は

「無視された?」

という表情をするのです。

でも、それは無視をしているわけではなく、

単に「聞こえていないだけ」。

悪気があるわけではなく、わざと無視をしているわけでもない。

ただ、それを知らない人がほとんどなのです。

こだむ。が多くの人に”知っていてほしい”と思うこと

私の父や母のように、聞こえない人は世の中にたくさんいます。

でも、聞こえないことが周囲に伝わっていないと、誤解されてしまうことがあるのです。

「すみません」と言っても返事がない

→ 「無視された?」

「ぶつかったのに謝らない」

→ 「マナーが悪い?」

このように、ちょっとした誤解が生まれてしまうのです。

だからこそ、この記事を読んでくれたあなたにお願いしたいことがあります。

もし、声をかけても反応がない人がいたら、

「もしかして、聞こえないのかも?」

と一度考えてみてほしいです。

そして、何か伝えたいことがあるときは、

・肩を軽く叩く
・ジェスチャーを使う
・スマホのメモに書く

など、声以外の方法を試してみてください。

たったそれだけで、誤解が生まれず、

スムーズにコミュニケーションがとれることもあります。

1人でも多くの人がこのことを知ってくれたら嬉しいです。

それでは、また次回の「The CODA Explorer」でお会いしましょう!⚘ ⸝⋆

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